ハイラインとは?ニューヨークの空中公園の魅力・アクセスと歴史を現地体験から解説

ニューヨーク・マンハッタン西側に位置する「ハイライン(The High Line)」は、かつての高架鉄道を再利用して誕生した空中公園です。今ではNY観光の定番スポットとなり、緑豊かな遊歩道、近代アート、街を見下ろす絶景が楽しめるユニークな空間として世界中から注目を集めています。

ハイラインを散策した日の行程は、自由の女神→チャージングブル(ウォール街)→チェルシーマケット→ハイラインの順番で回りました。マンハッタン南部に行く日に組み込むのも良いかと思います。

本記事では、現地で実際に歩いた体験をもとに、ハイラインの成り立ちや歴史、見どころ、歩き方、アクセス情報まで詳しく解説。初めての方でも安心して楽しめるよう、写真映えスポットや治安面、所要時間についてもお伝えします。

ハイラインとは?|ニューヨークの空中公園の概要と魅力

空中公園「ハイライン」の基本情報

ハイライン(The High Line)は、ニューヨーク・マンハッタンの西側を走る、全長約2.3kmの空中公園です。かつて貨物輸送に使われていた高架鉄道「ウェストサイド線」の廃線跡を再利用し、2009年に一般公開されました。現在では、ガンズヴォート・ストリート(チェルシー)からハドソンヤードまでを結び、街中にありながら緑と開放感を楽しめる癒しのスポットとなっています。

緑・アート・絶景が融合した唯一無二の遊歩道

ハイラインの魅力は、都会のど真ん中で自然やアートを感じながら散歩できる点にあります。旧鉄道のレール跡を活かした設計は、歴史と現代デザインが融合した独特の雰囲気。道沿いには季節の植物が植えられ、現代アートのインスタレーションが点在しています。また、高架上からは10番街やハドソン川の景色を見渡すことができ、写真映えスポットとしても人気です。

筆者が実際に歩いて感じた魅力とは?

筆者はチェルシーマーケットから階段を上り、実際にハイラインを散策しました。高い位置にあるため景色が良く、観光客中心で治安も安心。約30分でハドソンヤードに到着し、線路やアートに囲まれながら街並みを楽しめました。思った以上に歩きごたえがありましたが、それだけに達成感のあるルートです。

ハイラインの歴史と成り立ち

かつての高架鉄道「ウェストサイド線」とは

ハイラインのルーツは、1934年に開通したニューヨークの貨物用高架鉄道「ウェストサイド線」にあります。この鉄道は、ミートパッキング・ディストリクトやチェルシーの倉庫群に食料や物資を直接届けるために建設され、地上の交通渋滞や事故を回避する画期的なインフラとして機能していました。しかしトラック輸送の普及により、1980年に最後の貨物列車が走ったのを最後に廃線状態となります。

廃線から再生へ|住民と都市計画の共同プロジェクト

長らく放置されていたこの高架鉄道に転機が訪れたのは1999年。地元住民の有志が「Friends of the High Line(ハイラインの友の会)」を結成し、鉄道の保存と再活用を目指す運動を始めました。当初は解体の危機にもありましたが、次第に都市開発の専門家やアーティスト、行政も巻き込み、「高架鉄道を公園にする」という前例のないプロジェクトが本格的に始動します。

2009年の開園から現在までの変遷

2009年、第一期区間(ガンズヴォート〜20丁目)がオープンし、大きな話題を呼びました。その後も段階的に延長され、2014年には34丁目までの全長約2.3kmが完成。さらに2023年にはハドソンヤード駅への新連結路も整備され、観光導線としての価値も向上しました。かつて産業の象徴だった鉄道が、緑と文化の公共空間として蘇った事例として、世界的に高く評価されています。

ハイラインの歩き方|おすすめルートと所要時間

チェルシーマーケットからスタートするモデルコース

Googleマップより ガンズヴォートストリート入り口

ハイライン散策の最南端のスタート地点は「ホイットニー美術館」脇のガンズヴォート・ストリート入口です。ホイットニー美術館にあまり興味ない方はチェルシーマーケットから行くといいと思います。

Googleマップより
右側がチェルシーマーケット 写真左側の階段からハイライン上がりました

私は「チェルシーマーケット」近くのルートから実際に歩きました。最南端ではないのでフルでハイラインを楽しめるということはありませんが、十分にハイラインの雰囲気を堪能できます。

チェルシーマーケットを通り抜けて、10thアベニュー側に抜けますと、上にハイラインが通っているのが見えます。

上の写真は10thアベニューから見た、ウエスト16thストリートの光景です。のように、マーケットを出てすぐの階段はやや急ですが、登りきると開放的な空中遊歩道が広がり、歩き始めから気分が高まります。

この南側から北上するルートは、徐々に風景が開けていく構成になっており、ハドソン川方面の眺望や終点のハドソンヤードの景色をフィナーレとして楽しめるのが特徴です。

所要時間は?疲れにくい歩き方のコツ

全長は約2.3kmで、途中で止まらず歩き続ければ約30分で踏破できます。ただし、写真を撮ったりベンチで休憩したりしながらのんびり歩くなら、所要時間は45分〜1時間程度を見ておくと良いでしょう。

実際に歩いてみると、平坦な道ながらも想像以上に体力を使います

特に夏場や午後の時間帯は日差しが強くなるため、水分補給と歩きやすい靴は必須です。ベンチや木陰も多く設置されているので、適度に休憩を取りながら進むのがおすすめです。

治安や混雑状況は?観光客目線でのリアルな感想

筆者の実体験から言えば、ハイラインは基本的に観光客が多く、治安も非常に良好に感じました。マンハッタンのストリートを歩く際に感じがちな緊張感はなく、落ち着いた雰囲気の中で安心して散策を楽しめます。

時間帯によっては混雑するエリアもありますが、道幅が広いためストレスなく歩けました。午前中や夕方の訪問がおすすめで、光の入り方や人の流れも穏やかです。

見どころ&写真映えスポット紹介

10th Avenue Squareや草原エリアで非日常体験

ハイラインの中でも特に人気があるのが、「10th Avenue Square & Overlook(10番街スクエア展望エリア)」。階段状のベンチに座ると、ガラス越しに10番街の車の流れを見下ろすことができ、まるで都会を舞台にした映画のワンシーンに入り込んだかのような非日常感を味わえます。

また「Chelsea Grasslands(チェルシー草原)」エリアでは、背の高い植物や草花に囲まれながら歩けるため、まるで都会の中にあるオアシスのよう。春や夏は特に花々が咲き誇り、美しい写真が撮れる絶好のスポットです。

線路跡×アートのインスタレーション

ハイラインの特徴の一つは、旧鉄道のレール跡をあえて残した設計です。足元に見える線路が、かつてここを走っていた列車の歴史を物語ります。そこに配置された現代アート作品や構造物が融合し、産業遺産と芸術のコントラストが非常にユニークです。

展示されるアートは季節や時期ごとに変わるため、訪れるたびに違う景観が楽しめるのも魅力。建築好き・アート好きの旅行者には特におすすめのスポットです。

ニューヨークの街並みを眺める

ハイラインからは高い位置にあるのでニューヨークの街並み、特に建築物を眺めるのも面白いです。

ザ・古き良きアメリカのアパートから、先進的なデザインのアパートまで、ビルが並ぶ中心街とは違った人々の生活感もかいまできる風景となっています。

アクセス・最寄駅と周辺スポット情報

ハイライン南北の出入口と最寄駅一覧

ハイラインには複数の出入口がありますが、代表的なのは南端のガンズヴォート・ストリート入口(Gansevoort St)と、北端のハドソンヤード(Hudson Yards)です。観光ルートとしては、チェルシーマーケットに近い南側から北へ進むのが人気です。

  • ガンズヴォート入口(南端):最寄駅は14th St(A/C/E/L線)
  • ハドソンヤード入口(北端):最寄駅は34th St–Hudson Yards(7線)。終点にはVessel(ベッセル)やショッピングモールもあります。

中間地点にも階段・エレベーターの出入口が複数あるため、途中参加や途中離脱も可能です。

周辺のおすすめ観光地(チェルシーマーケット・ベッセルほか)

ハイライン周辺には魅力的な観光地が点在しています。特にチェルシーマーケットは、スタート前に立ち寄るのに最適なグルメスポット。ロブスターロールやタコスなど、ニューヨークらしいグルメが味わえます。

終点近くのハドソンヤードには、近未来的なデザインの展望構造物「ベッセル(Vessel)」があり、SNS映えする写真スポットとしても人気。また、ハドソンヤード・モールではショッピングやカフェタイムも楽しめます。

まとめ|ニューヨークでしかできない「空中の散歩」を体験しよう

ハイラインは、かつての高架鉄道が生まれ変わったニューヨークならではの空中公園。緑あふれる遊歩道、点在するアート作品、そして高架から見下ろす街並みは、他では味わえない特別な体験です。

チェルシーマーケットで食を楽しみ、高架の階段を上って空中の散歩を満喫しながら、ハドソンヤードで現代的な建築に触れる——。この一連の流れだけで、NYの“歴史・文化・最先端”をコンパクトに体感できます。

実際に歩いてみると、ただの「公園」ではなく、都市の進化や再生の物語が感じられる場所でした。写真映えやリラックス効果はもちろん、歩くだけで心が豊かになる空間です。

ニューヨークを訪れる際は、ぜひハイラインでしか味わえない空中の都市散歩を旅のプランに加えてみてください。

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