ワン・ワールド展望台と9.11メモリアルの見学を終えたあと、筆者は徒歩でブルックリン・ブリッジへと向かいました。
グラウンド・ゼロからはちょっと迷いながら徒歩約20分ほどで到着。

地図アプリでルートを確認しながら街を抜けると、徐々に橋の巨大なアーチが見えてきます。

ここから、ブルックリンの人気エリア「ダンボ」へ向けて、約30〜40分かけて橋を歩いて渡るルートをご紹介します。
アメリカの土木技術の象徴「ブルックリン・ブリッジ」の歴史

ブルックリン・ブリッジ(Brooklyn Bridge)は、1883年に完成したアメリカ最古の吊り橋の一つで、ニューヨークの歴史を語る上で欠かせない存在です。建設は1870年に開始され、設計者はジョン・A・ローブリング。彼の死後は息子ワシントン・ローブリングが工事を引き継ぎ、さらに夫が病に倒れてからは、妻エミリー・ローブリングが現場で指揮を取ったという逸話が残されています。

当時の技術としては革新的だった鋼線を使った吊り構造と、巨大な石造りのゴシック様式の主塔が印象的。歩行者デッキの高さは約40メートル、全長は約1,800メートルに及び、完成当初は世界最長の吊り橋として世界に知られました。写真の通り、主塔に掲げられたアメリカ国旗が青空に映え、時代を越えた威厳を感じさせてくれます。
橋の中央を歩く体験

ブルックリン・ブリッジ中央部は、観光客で賑わう絶景スポット。木製の歩道と左右の鉄骨が続く道は、ニューヨークらしい雰囲気を存分に味わえます。右側には車道もあり、歩行者と車の動線が分かれているため安全です。ワン・ワールド・トレード・センターを背景に、まさに絵になる風景が広がります。
主塔を真下から見上げる

橋の中間にそびえる主塔を下から見上げると、そのスケール感に圧倒されます。ゴシック調の石造アーチはまさに芸術的。細かい石の積み上げや刻まれた装飾に、19世紀の建築技術の高さを実感させられます。ここは橋の美しさをダイレクトに感じられる撮影スポットです。
ケーブルと都市のコントラスト

主塔から続く無数のワイヤーが空に向かって放射状に伸び、その奥にはマンハッタンの摩天楼が立ち並ぶという構図は、ブルックリン・ブリッジならでは。鉄の構造美と都市のエネルギーを感じる絶好のビューポイントで、多くの観光客が足を止めて撮影していました。
マンハッタンを振り返る光景

橋を半分ほど渡った地点でマンハッタン方面を振り返ると、ワン・ワールド・トレード・センターを中心にしたビル群が目前に広がります。天気の良い日にはビルの輪郭がくっきりと映え、ブルックリン・ブリッジの存在感とともに壮大な都市景観を堪能できます。
建設記念碑とブルックリンブリッジの歴史

橋の塔脚部分には、設計者や建設責任者の名前が刻まれた記念銘板があります。1883年の完成当時から続く歴史と、後年に行われた修復工事の記録も残されています。ブルックリン・ブリッジがいかに人々の手によって守られ続けてきたのかを感じる貴重なポイントです。
愛の証?橋に結ばれたヘアゴムや鍵

終盤に差し掛かるとフェンスにはヘアゴムやカラフルな紐、南京錠などが多数結びつけられているエリアがあります。これは恋人たちの「ラブロック」文化が自然発生的に広がったもので、ブルックリン・ブリッジ独自の風景として人気を集めています。撮影スポットとしても映える場所です。
橋を渡り終えた先、ダンボへ
橋を渡り終えると、レンガ造りの建物と石畳の道が印象的なダンボ地区に入ります。
マンハッタン・ブリッジを背景に撮影できる有名な「ワシントン・ストリート」もすぐ近くにあり、観光やショッピング、グルメを楽しむのにぴったりのエリアです。橋を渡る体験はここでさらに魅力を増します。